farm/ファーム

イチゴの初収穫まで、あと10日あまり。待ち遠しくてたまらない「ミライエファーム」です。

施設園芸が盛んな安芸市。そのビニールハウスが並ぶ田園の一角に「ミライエファーム」のイチゴハウスがあります。ここでは約8600株を栽培していて、今、イチゴの白い花が順番に咲いて、小さな実を結び始めたところ。品質のよい減農薬イチゴを育てるために、支援員の清藤雄司さんとともに、知的、精神、発達障害を持つ18才から43才までの5名のスタッフたちが、手作業で花の摘果や受粉作業にあたっています。イチゴは花が散ってから35日ほどで実がなるのだそう。ミライエファームでは、12月15日ごろから初めての収穫が始まる予定で、来春5月末まで約4000キロの収穫を見込んでいます。

この「ミライエファーム」は、社会福祉法人安芸市身体障害者福祉会が、就労継続支援A型事業として設立したもので、昨年の平成23年10月から北川村に柚子畑を借り受けて農業生産を始めました。ハウスは9月13日に竣工。9月27日から順番に定植作業を始めました。圃場面積は1527.6平米。育苗ハウスが342平米。敷地面積は2872.63平米。中土佐町の苺農家さんの指導を受けながら、高設栽培システムで栽培しています。

A型事業所とは、障害を持つ人たちが一般就労に就くまでの間に技術を学ぶところで、高知県の最低労働賃金652円を保証されるとともに雇用契約を結んで働く場所のことです。今まで内職的な下請けの仕事をしていた障害者たちが、さらに一歩、社会へ、未来へ向かって歩いて行くために、自ら汗をかいて作った作物を販売していこうというのが「ミライエファーム」設立の大きな目的。まわりの人への感謝の気持ちや自分の命を大切に思う気持ちも一緒に育てていく農場です。
「皆さん、一生懸命働いてくれています。それぞれのご家族と連携を取りながら、仕事が終わって家に帰ってからの様子などを聞きながら、それぞれの状態に合わせた支援を心がけています。育っていく喜びを感じているようで、休憩時間などに話していると、みんな、“楽しい”、“やりがいがある”と言っています」と、清藤さん。

ここで栽培しているイチゴは「紅ほっぺ」という品種。高設システム栽培向きの品種で、果肉がしっかりしていて、ほっぺが落ちるほどおいしいことから、この名前が付けられたのだそうです。摘みたてのイチゴはスイーツハウスで販売されるほか、ミライエのお菓子工場でフレッシュ感を残したおいしい手づくりジャムになります。